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2010参院選岡山

参院選を終えて 記者座談会

 11日投開票された参院選で、岡山選挙区(改選数1)では民主党現職の江田五月氏が自民党の山田美香、共産党の垣内雄一の新人2氏を大差で退けた。比例代表は当落が決まるのが12日朝までずれ込む激戦となった。政権交代による支持基盤の流動化が反映された選挙戦を、舞台裏を交えて担当記者が分析した。

岡山選挙区

 A 江田氏は高い知名度で序盤から安定した戦いを見せた。

 B 衆院4期、参院3期を務め、現職参院議長の江田氏の知名度は抜群だった。社会党書記長を務めた父の故・三郎氏から親子二代の「江田ブランド」は県北部の保守地盤でも健在。6年前からわずかに票は減ったが、27市町村のうち、奈義町、新庄村を除く25市町村で他候補を抑えた。

 C 党県連の公募を通じて立候補した山田氏は出馬表明が2月末で、出遅れを挽回(ばんかい)できなかった。党県連が選挙を支えたが、野党転落で党の求心力低下は否めず、30万票台は確保したものの、改選議席が1になった2001年以降、自民候補では最少得票に終わった。

 D 政権交代で、これまで自民を支えてきた業界団体の対応も変わった。県歯科医師連盟や県医師連盟などが、民主に軸足を移す中央組織の方針を踏まえて両党推薦や自主投票に切り替え、民主の基盤強化の流れが鮮明になった。比例代表でも民主党は21市町村でトップに立ち、自民党の4市町を大きく上回った。

 C 自民陣営からは電話作戦や演説会の動員確保といった運動の人手不足を嘆く声も聞こえた。ただ、各団体の組織内候補の比例得票は県内で数百から2千票余りで、選挙区の結果を大きく左右したかは不透明だ。

 E 垣内氏は民主、自民の二大政党が打ち出した消費税増税の反対姿勢を示して対立軸を打ち出そうとしたが、支持が広がらなかった。

比例代表

 A 今回の比例では、県内を基盤とする3人の候補の争いも激しかった。

 D 公明現職の谷合正明氏が当選、たちあがれ日本元職の片山虎之助氏も滑り込んだが、新党改革新人の萩原誠司氏は涙をのんだ。

 B 参院比例は非拘束名簿方式のため、党の総得票に応じて議席が配分され、個人名の得票順に当選が決まる。たちあがれが1議席を固めても、片山氏は党内でトップかどうか微妙だった。党内2位の中畑清氏との差はわずか約6千票。執念の国政復帰だ。

 E 同党は片山氏に加え、平沼赳夫代表が衆院岡山3区選出ということもあって、県内得票率は13・16%に上った。全国では2・11%だけに、けた違いの強みを見せた。

 C 備前市は民主、自民を抑えて第1党、和気、美咲町などでは民主に次ぐ第2党だった。片山氏も個人票11万7千票のうち7万7千票を県内で稼いでおり、地元の支持は大きかった。

 A 谷合氏は危なげなかったように見えたけど。

 D 中四国を中心に54万4千票を獲得し、党内4位だった。県内は9万6千票で、初当選した2004年の13万3千票からは減らしたが、党支持層に手堅く浸透していた。

 B 党内での順位が低迷していたり、個人名が浸透していないという情勢が伝えられ、終盤のてこ入れはすさまじかった。ふたを開ければ、県内の公明票のうち約7割が谷合氏の票だった。

 C 一方、萩原氏は党が1議席を獲得しながら、個人名の票で及ばなかった。出身地の西粟倉村で新党改革は第1党となったが、萩原氏の個人票は県内で1万1千票にとどまっており、地元での浸透度が明暗を分けたと言える。

投票率

 D 投票率は56・97%で、前回参院選を2・2ポイント下回った。西粟倉村を除く26市町村で下がり、全県的に低落傾向が見られた。

 E 理由の一つは、政策論争が低調だったことか。

 B 消費税問題では、民主、自民がともに増税を掲げる展開。対立軸が見えにくく、江田氏と山田氏も演説などで深く踏み込むことはなかった。

 C 市民の間では、候補を招いた討論会が3回開かれるなど、政策を比較しようとする動きがあっただけに、盛り上がりに欠けたのは残念だった。

 D 一方で、期日前投票者は前回より18%増え、投票者全体の4分の1を占めた。

 A 選挙に行きやすい制度が浸透した形だけれど、政治への関心が高まらなければ投票率は上がらない。政治離れを食い止める必要がある。

(2010年7月13日掲載)


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 【岡山選挙区当選者】
江田五月氏
江田五月氏 69(民主現職)
参院議長。1977年に参院全国区で初当選以来、衆院4回、参院3回当選。東京大卒。
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