激戦模様 岡山選挙区
逃げ切りか巻き返しか
「時には苦言を呈しながら、盟友の菅直人首相を支えていく」
岡山選挙区(改選数1)で4選を目指す民主党現職の江田五月氏。社会市民連合以来、行動を共にしてきた菅首相の「兄貴分」を街頭や集会で強調する。
5日夜、倉敷市で開いた個人演説会には首相夫人の伸子さん(浅口市出身)も駆けつけ、「江田氏の支えで菅直人はここまで来ることができた」。パイプの太さで自らの存在感を印象づけ、得票につなげる戦略を描く。
6年前に江田氏が衆参合わせて県内唯一だった国会議席を守って以来、民主は県内で着実に勢力を伸ばしてきた。その陣頭に立ち続け、「最後の選挙」と位置づける今回は後輩の国会議員たちが応援に駆け回る。
「政権を安定させ、マニフェストに掲げた政策を実行したい」。批判にさらされた鳩山政権当時に比べ、言葉には余裕もにじむ。知名度を生かして逃げ切りを図る構えだ。
「新生自民党の象徴となり得る候補だ」
1日、JR岡山駅前で街頭演説した自民党の谷垣禎一総裁は、党県連の公募を通して発掘した新人の山田美香氏を持ち上げた。
岡山選挙区は過去2回連続で苦杯をなめ、議席から遠ざかっている。党参院幹事長が民主の女性新人に敗れた前回のリベンジも背負う。江田氏を打倒民主の象徴と位置づけ、政権批判を支持に結びつける作戦だ。
民間出身の「市民感覚」と「世代交代」を前面に掲げ、2世議員でベテランの江田氏との違いをアピール。学生時代にヨットで鍛えた体力で県内を走り回り、「新しい風を吹き込み、岡山から政治を変える」と訴える。
野党になったとはいえ、層の厚さを誇る党組織が総力を結集し、最終盤の巻き返しを図る。5日には党国会議員や県議が緊急会合。県連幹部は「組織をフル回転して当選をつかみ取ろう」とねじを巻いた。
参院議長の要職にある江田氏の議席が懸かるだけに、岡山での勝敗は菅首相の政権運営にも影響を与えかねない。与野党が過半数をめぐって激しい攻防を繰り広げている1人区の中でも、ひときわ重みを持つ。
党勢回復の足がかりを築きたい共産党は、新人の垣内雄一氏が支持拡大に懸命。
「消費税増税に絶対反対。民主、自民だけでなく、新党も増税の方向は同じだ」。米軍普天間飛行場の無条件撤去なども交え、徹底して他党との違いを浮かび上がらせる。
政権を担う民主が国民の期待に応えきれておらず、野党第1党の自民も攻め手を欠くとみており、二大政党に対する批判の受け皿を狙っている。比例票の上積みも視野に、最終盤も街頭演説を重ねて浸透を図る考えだ。
◇
政権交代後、初の本格的な国政選挙となる参院選は、11日の投票に向け最終盤を迎えた。岡山、広島、香川の3選挙区で各候補の激戦模様を追った。
▽改選数1、届け出順、敬称略
山田 美香42 元会社員 自新(た推)
垣内 雄一45 党県常任委員 共新
江田 五月69 参院議長 民現(国推)
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