北へ、南へと線路が延びる新幹線に、新型車両が相次いで登場している。古顔からニューフェースまで多彩な“顔ぶれ”が快走しているのが山陽新幹線である
1985年にデビューした100系から最新のN700系まで七つの顔がそろう。東海道、九州両新幹線との直通運転に加え、ひかりレールスターなど山陽独自の編成があるからだ
このうち100系と300系が3月のダイヤ改正で引退する。世代交代は世の習いとはいえ、ともに新幹線の歴史を築いてきた名車両だけに寂しい限りだ
初代0系の団子鼻に比べて先頭部分がシャープな100系は食堂車のある2階建て車両を連結した豪華版だった。その7年後に登場した300系は「鉄仮面」の愛称で親しまれた。「のぞみ」の誕生である。ただ、食堂車は300系以降、廃止された。窓も車体強度を高めるために新車両ほど小さくなり、車窓の景色が見えにくくなった
九州新幹線などをデザインした水戸岡鋭治さん(岡山市出身)が初めて新幹線に乗ったのは20歳の時だった。記憶に残るのは「ビュッフェで富士山を見ながら食べたハンバーグ定食の味」と自著「『正しい』鉄道デザイン」で語っている
かつてあった旅本来の楽しさ。高速化の一方で置き去りにされてきたのではと、ふと思う。