池田動物園(岡山市北区)から、上野動物園(東京都台東区)へ婿入りした雄のホッキョクグマ「雪夫(ゆきお)」が、昨年秋にオープンした新しい飼育施設で人気を集めている。野生を引き出すよう工夫された設計が雪夫の魅力を倍増。ガラス張りのプールで泳ぐダイナミックな姿や餌を狙う様子が「迫力満点」と入園者の目はくぎ付けだ。
肉がプールに投げ込まれると、300キロもの巨体が飛び込んできた。水中の雪夫は意外なほど敏しょう。毛並みを波打たせ、手足を素早く動かして見事に水中ターンを決める。入園者から歓声が上がり、拍手が起きた。
新施設は以前より拡張し、土と草の運動場を新設した。深さ3メートルのプールは側面を大きなガラス窓にし、水中の様子を間近に観察できる。一部はアザラシとアシカの池とガラス1枚で隣合っている。
雪夫は草地に寝そべり、背中や頭を地面にこすりつける動作をするようになった。プールでは、アザラシやアシカに向かって前脚を伸ばしたり、においを嗅ぐしぐさもする。以前の施設では見られなかった肉食動物本来の行動という。この「行動展示」と呼ばれる手法は、旭山動物園(北海道)をはじめ全国の動物園で導入が進む。
新施設は14億円を投じて昨年10月末に完成した。雪夫は24歳で、パートナーの雌の「レイコ」は28歳。ともに高齢だが、新施設効果もあって園内ではパンダに続く人気者になっている。