インド洋での給油活動を終了した海上自衛隊の護衛艦と補給艦が6日、東京・晴海埠頭(ふとう)に帰ってきた。改正新テロ対策特別措置法の失効に伴うものだ。活動は米国が主導する「テロとの戦い」の一環だったが、今後、自衛隊を活用した日本らしい国際貢献の在り方を考えていくうえで、これまでの活動実績や効果についてきちんと検証し、冷静に分析、評価することが欠かせない。
給油活動は、2001年9月の米中枢同時テロの発生を受け、12月からインド洋で対テロ作戦に従事する外国艦艇に無償で燃料や水を提供してきた。活動期間は一時中断をはさんで約8年に及んだ。帰国した派遣部隊を出迎えた鳩山由紀夫首相は訓示し「培った経験は、これからの日本の外交、安全保障に必ず生きる」と労をねぎらった。
防衛省によると、給油は米国、英国、カナダ、フランス、ドイツ、パキスタンなど12カ国を対象に939回を数えた。延べ約1万3千人の隊員が参加した。真夏の甲板は目玉焼きが作れるほどの厳しい環境下で長期間の過酷な任務を無事に終えたことを心からたたえたい。
海自艦派遣に関しては、米国から「顔の見える貢献」との評価を受けたが、国内には「対米協力ありきだ」と反発も強かった。洋上での給油活動は戦闘に巻き込まれる危険性が低く、制約が多い自衛隊にとって国際貢献のモデルといった意見や、反対にテロ封じ込めを目的にしているのにアフガニスタンでは治安が悪化し、給油効果を疑問視する声も出た。また、補給した燃料が、目的外の米国の対イラク作戦に使われたとの転用疑惑も持ち上がった。
鳩山政権は、給油量が最近は大幅に減っていることから、ニーズの低下などを理由に活動の終了を決定した。忘れてならないのは、活動実績の検証だ。民主党は野党時代に政府に情報開示を求めた。福島瑞穂消費者行政担当相(社民党党首)は「自公政権下では給油の実態が分からなかった」と述べている。政権交代が実現したのだから、検証作業を怠ってはなるまい。
自民党などは給油活動を再開させるための新たな法案を参院に提出した。国会は、給油活動の大義や効果について仕切り直しの議論をしてもらいたい。
政府は給油活動に代わってアフガンの治安強化に向け今後5年間で50億ドル規模の民生支援を表明している。民生であっても、支援の実態を情報開示することは当然だ。