再挑戦 第1部 (2)チーム強化
勝利が高める求心力
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| ボールを使った実戦練習に励むファジアーノ岡山イレブン=大分県別府市の実相寺サッカー競技場 |
吹雪の中の山岳訓練、砂浜ダッシュ、実戦さながらのミニゲーム…。大分県別府市で行われているファジアーノ岡山のキャンプ。メンタル、体力、技術を鍛える過酷なトレーニングが連日続く。
2003年のチーム発足以来、とんとん拍子でJリーグ2部(J2)に昇格したが、昨季は8勝12分け31敗で最下位。「また同じ結果になったら、試合を見に来てもらえなくなる」とGK李彰剛。J2年目に臨むイレブンの危機感は強い。
プロである以上、強くなければ求心力は高まらない。ファンはひいきチームの勝利を願って会場に足を運び、勝てばその輪はどんどん広がる。
J1リーグを3連覇した鹿島アントラーズはこの3年間で1試合当たりの平均観客数が6千人以上増加。ファジアーノも大逆転勝ちした昨年8月の東京ヴェルディ戦以降、観客数がぐんと伸びた。「負け続けていた昨年は観戦に行くのがおっくうになることもあった。今年はそれなりの成績を残してもらわないと」。J2入り以前からファジアーノを応援する岡山市内の自営業男性は注文を付ける。
スタッフ充実
「12年にJ1昇格争いができるチームを目指す」。木村正明社長は昨季終了後、大きな目標を掲げた。それまでに戦力底上げを図るため、スタッフ充実に踏み切った。
新監督には昨季1年間ヘッドコーチを務めた影山雅永氏を据えた。日本代表スタッフやサンフレッチェ広島のトップチームコーチ、マカオ代表監督などを歴任。木村社長が「よくうちに来てくれた」と言うほど期待の高い切り札だ。
コーチ陣も3人増やした。情熱家の真中幹夫氏をはじめ、ジェフ千葉時代にオシム監督(前日本代表監督)の通訳として練習を間近で見ていた間瀬秀一氏、初のGK専任となる高橋範夫氏。「全員非常に能力がある。持てる力を出し切ってほしい」と影山監督。新加入の12選手は全員20代で、12年にピークを迎えそうな選手に絞った。
市民呼び込め
現場にも緊迫感が漂う。最下位からの巻き返しに向け、影山監督は「ボールを自分たちでコントロールして試合を運ぶ」と強調する。
今季J1入りするベガルタ仙台、セレッソ大阪、湘南ベルマーレは、いずれも主導権を握って戦うスタイルで躍進を遂げた。ファジアーノも昨季途中からの戦い方を進化させ、J2で下から2番目だった得点力アップを目指す。84失点を喫しJ2ワーストだった守備も、ボランチの金泰〓(水戸)やセンターバックの近藤徹志(浦和)ら新戦力を軸に再構築を図る考えだ。
「ひたむきさ」が県民の共感を呼び、昨季ホーム試合の入場者数はリーグ7位(1試合平均6162人)。これにスリリングな試合展開や結果が伴えば、約2万人収容の桃太郎スタジアムを満員にすることも不可能ではない。魅力的なチームが市民の足をスタジアムに向けさせ、大観衆が選手の好プレーを引き出す―。そんな好循環が生まれれば理想的だ。木村社長は「ベテランに頼る、つぎはぎだらけの補強はしない。地に足を付けた強化に励む」という。
夢のJ1昇格という高みを見据え、船出した影山ファジアーノ。試合に注がれるサポーターの目は、温かく見守ったルーキーイヤーより当然厳しくなる。
注)〓は「木」の右に「然」
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